時間術の本は自分で書いたほうがいい
樺沢紫苑さんの『神・時間術』が神だ。
「作家として文章を書く時間」をどう確保し、どう集中していくかに焦点を当てているので、ライターである私の身に置き換えやすい。
樺沢さんは医師でもあるので、医学的に納得のいく論理構成で、かつ自身の生き方や考え方もオープンにしていて文章が染みる。
以前読んだときのドッグイヤー&マーカーで騒がしい本になっていたが、やはり時間が経つと内容は忘れている。再び読み返して、武者震いするような刺激をおぼえた。
ところで、時間術の本はこれまでもいろいろ読んでいる。
書き手もいろいろで、作家、ライター、専門職、主婦、サラリーマン、社長、独身、子持ち、女性、男性・・・。
そこで感じたのは、私と似た属性の人はいても、同じ属性の人はいないということだ。あたりまえだよね、個人個人ちがうのは。
あくまでパズルの1ピースを教えてくれるのが本であって、パズルを仕上げるのは自分なのだ。
例えば、「7時間寝よう」はどの本にもある基本原則。
でも私の結論は「ムリ」。
だって、夜10時過ぎに帰ってくる子がいて、食事を出し、その後食器洗いとお弁当の仕込みなどをしたら12時を過ぎ、翌朝5時半に起きるとなれば、7時間睡眠は不可能。その代わり、登校後に計7時間になるよう朝寝で調整している。
とまあ、出だしから私なりのアレンジが必要になる。
3日で1冊の本を仕上げるというあるブックライターの本を読んだことがある。
「ブックライター」「在宅仕事」という共通項に期待が大きすぎたのかもしれない。なにせ彼のタイムスケジュールは、食事の時間を除いて、朝から夜まで書きっぱなしなのだ。
家族はいるが、家事育児は妻が担当している、という前提がちがったのだ。そのちがいは大きかった。
「えっ買い物の時間は? 料理の時間は? 洗濯干しの時間は? 食器洗いの時間は? 子の宿題チェックの時間は? 送迎の時間は?」
とイジワルク思ってしまった。前提がちがうだけなのに。
そんなこともあって、いろいろな著者のいろいろなtipsを自分流に組み合わせた『わたしの時間術』を執筆せねばならない。
著者は私、読者は私。そのうちここに書こう。