子育てで直面する「今、楽しい」か「後々楽しい」か問題
私の妹が、小2の子どもを中学受験させるかで悩んでいる。妹はこんな懸念を口にしていた。
「この大事な成長期を、将来のための準備だけに使いたくない」
その気持ち、よくわかる。
中学受験はいろんなことをやめて、その時間を入試対策にあてる必要があるからだ。たとえばこんな時間が筆頭に削られる。
・習い事の時間
・お友達と遊ぶ時間
・家で好きなことをする時間
・読書の時間
・家族で旅行する時間
・家族でごはんをゆっくり食べる時間
わが家もそうだった。
小3まで習っていた習字や水泳やダンスをやめたし、そもそもお友達も塾通いで忙しくあまり遊べなかったし、家でボーッとしようもんなら「勉強しなさい」ってな感じだったし、本を読むより塾の宿題をすることが優先だったし、夕食は塾でお弁当だった。
つまり、「今、楽しいこと」を犠牲にしてきたともいえる。
中学受験の勉強は何のためにするかといえば、入試を突破するため、中高一貫校で好きなことに打ち込むため。つまり、今ではなく未来のため、「後々楽しいこと」のためにする。
「後々楽しいこと」ばかり追い求めていると、どうなるか。
御三家中学の合格発表の帰り道で配っている某東大受験塾のパンフレットでは、
「合格おめでとう。次は東大だ!」
と高らかに謳っているという。
中高6年間を東大合格のために使い、東大に入ったら国家公務員試験のために使い、試験が通って官僚になったら昇格するために使うとしたら…。
今はどこにあるんだー!!! いつまで経っても今がやって来ない。
ゴールばかり見て走っていると、きっと道端の花には気づかない。というありふれたたとえを使っちゃうけど、「今、楽しむ」ことは忘れちゃいけない、絶対に。せっかく生きているのだから。
じゃあ「今、楽しむ」だけでいいか問題。
今、楽しいことに没頭する。それでいいじゃないか、とも思うし、それが青春とも思う。
ただ一方で、世の中には長い期間かけて準備したり練習したりする必要があるものもある。
勉強しかり、スポーツしかり、なんらかの技術しかり、芸術しかり。
ゴールを見定めて、それに向かって努力する。辛抱する。壁を乗り越える。そんなことのくり返しが実を結ぶ。
そしてここが肝心なんだけど、一見苦しい過程が、じつは本人にとって楽しいことである可能性も高い。「後々楽しい」だけでなく、ちゃんと「今、楽しい」のだ。
うーん、どうなんだろう。
結局はバランスなのかな。どっちも大切だよね、ということなのかな。
中学生ママになった今日も悩んでいる。