春休み、修行に行ってまいりました
修行といっても滝に打たれてきたわけではなく、お遍路さんとなって長い道を歩いてきたわけでもない。
子どもにつきあってUSJに行ってきた話だ。
私は絶叫マシーンに強いほうだし、自分の希望は脇に置いて子どもの趣味につきあうことも苦じゃない。
でも、春休みのUSJは修行だった。
なにが修行だったかって、アトラクションの列が長すぎたのだ。
一番待ち時間の長いアトラクションで230分と表示されていた。60×4で、4時間近いことになる。
もちろんこれに乗ることはなく、せいぜい2時間を切っているアトラクションを選んで乗った。70分と表示があったら、短い!と感じるくらいだ。
ただし数字上は短く感じても、実際に並んだら70分は長すぎた。
なにせ毎日、その5分をどう捻出するか、に知恵を絞る生活をしているのだ。
その70分間、日焼けを気にしながら、牛歩で進みながら、腰の痛みも覚えつつ、しかも一緒に並んでいるのが家族だと気を遣わなくなるため、不機嫌になってくる。
まあ気を遣いながら並ぶのもつらいけど。
カフェや新幹線ではあんなに仲良くしゃべっていたのに、楽しい会話はどこへ?となった。にこやかに会話している周囲の人びとを見て「えらいなあ、すごいなあ」と思ったものである。
ただ時間が過ぎるのを待つという、どうしようもなく非生産的な、心身共にくたびれることに、耐えられない自分を発見した。
これは体力のせいなのか、テンションのせいなのか(テーマパークが得意じゃないことも今回の発見)、フリーランスのため普段自由に時間を使いすぎてちょっとの我慢もできなくなっているのか。
あ、しかもそれを4アトラクションぶんやり遂げたのだ。1つは30分待ちだったけど、あとの3つは1時間超えで。
「この世で一番の悪は不機嫌なことだ」という言葉を聞いたことがある。
自分で機嫌をコントロールできなくなったとき、ギリギリのところで踏みとどまり、どう機嫌を立て直していけるか。
自分の不機嫌で家族を傷つけてしまわないように。自分のことがイヤになるような後味の悪い思いをしないように。
これが私の課題だ。
それを教えてくれた意味でも、貴重な精神修行をしてきたのである。